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職業について、内容、就労する方法、求められる知識・スキルや、どのような人が向いているかなどが総合的にわかるサイトです
確率論・統計学などの数理的手法を活用して、主として保険や年金などの分野で起こる不確定な事象を取り扱う数理の専門職である。 アクチュアリーが活躍する職業分野として、生保・損保会社や信託銀行、官公庁などがあげられる。最近では、コンサルタント会社に籍を置いて保険や年金に関わるコンサルティングをおこなうアクチュアリーや、監査法人に所属して中立的な立場から外部監査に携わるアクチュアリーもいる。 業務は、①生保・損保会社において、保険事故発生率・損害額等の分析、保険料額決定、支払準備金額評価、会社の健全性確保のための収益管理等を行う「保険数理」、②信託銀行、生保会社、政令指定法人において、年金資産積立と年金負債のバランス、年金掛け金水準の適正性について検証し、基本運用方針策定に係る助言を行う「年金数理」、を中心として、③一般企業に対する退職金・企業年金制度に係る助言や不確定なリスクを数値化し企業の資産運用に関するリスクの測定を行うなどの「コンサルティング」、に整理することができる。官公庁では、保険会社が運営する商品の保険料やその計算方法などの認可、厚生年金制度や健康保険制度の保険料率の再検討などの保険行政に携わる。 この業務の専門性は、以下により公的・法的に位置づけられている。 (ⅰ)保険業法において、「すべての生保会社と一定の要件を満たす損保会社は、その取締役会で保険計理人を選任し、保険料の算出方法、準備金の算出方法をはじめ、保険計理人の職務遂行に関し必要な事項に関与させなければならない」とされ、この保険計理人の要件として「公益社団法人日本アクチュアリー会正会員かつ生保・損保会社での一定の保険数理業務経験」と定められている。 (ⅱ)旧厚生年金保険法、確定給付企業年金法、国民年金基金において、「各基金、企業年金が厚生労働大臣に提出する毎年度の年金財政に関する年金数理関係書類には、それらが適正な年金数理に基づき作成されていることを年金数理人が確認の上署名押印しなければならない」とされ、この年金数理人の要件として「公益社団法人日本アクチュアリー会が実施する資格試験の全科目に合格または公益社団法人日本年金数理人会が実施する能力判定試験の全科目に合格し、かつ一定の年金数理業務経験」と定められている。 このことから、わが国では一般的に、アクチュアリーとは公益社団法人日本アクチュアリー会正会員(同会が付与するアクチュアリー資格保有者)とされている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 表計算ソフト(Excel、スプレッドシート等)、パソコン
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この仕事に就くために、まず、確率論・統計学などの数理的スキルを習得して生保・損保会社や信託銀行、官公庁等に就職し、保険数理・年金数理業務に携わり経験を積むのが一般的である。保険計理人・年金数理人としての業務を行うには日本アクチュアリー会正会員でなければならないため、同会が実施するアクチュアリー資格試験に合格することが、実質的な必須資格となっている。 日本アクチュアリー会正会員になるには、大卒・大学院卒(それと同等と認められた者)を受験資格とする同会のアクチュアリー資格試験(第1次試験(基礎5科目)、第2次試験(専門2科目))に合格及びプロフェッショナリズム研修(初期教育)を修了しなければならず、正会員になって初めて「一人前」とされる。これには7年程度かかるといわれる。なお、日本アクチュアリー会では第1次試験1科目以上合格者を研究会員、第1次試験合格者を準会員とし(これらを含めた会員数合計約5,500人)、テキスト発行、講習の実施等により、育成・継続教育を推進している。最近では、在学中からアクチュアリー資格試験に挑戦する学生のための対策講座を設ける大学もある。 業務の専門性から転職は同じ業界内がほとんどであるが、離転職は少なく、独立開業はほとんどない。 数学・統計等の数理能力は言うまでもないが、法令や会計基準等の変更を常にフォローする根気強さ、顧客との窓口である営業担当等とのチームワークで業務遂行できる協調性、専門用語が多い保険・年金についてわかりやすく説明できるコミュニケーション能力が重要とされる。また、海外への業務展開を図る保険会社の増加を反映して、英語の必要性が増しているという。
関連資格
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『学歴』を表しています。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
勤務先は、生保・損保会社や信託銀行、官公庁である。就業者は正社員・正職員がほとんどである。就業者は、ほとんどは男性で、年齢的には30~50歳代が多い。 日本アクチュアリー会正会員数等についてみると、2023年3月末現在で2,056人となっており、就業先としては、生保約45%、損保約15%、信託銀行約10%、監査法人やコンサル会社約31%となっている。 労働条件は所属先の規定に従う。賃金については、専門職の賃金体系が適用されることが多い。入社後にアクチュアリー資格を獲得すれば、その時点で専門職の賃金体系適用者となることが多い。 労働時間については、比較的規則的で完全週休二日制が一般的である。業務の性質上、提案・回答期日の厳守が義務付けられているため、決算期の前等、時季によっては残業が多くなる。 近年、自然災害や国際紛争、宗教問題などリスクの多様化・複層化の中で、企業にとってリスクマネジメントの重要性は一層増大している。一方、保険の銀行窓販や来店型店舗等のチャネル多様化により、企業間競争はますます激しさを増している。これらを背景として、アクチュアリーもそれぞれのチャネルに合わせた商品開発やリスク管理が求められており、アクチュアリーへの需要は高まっている。
アクチュアリーが属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類の「その他の経営・金融・保険の専門的職業」等)に対応する統計情報です。
※「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。
※各統計データに関する留意事項についてはこちらをご覧ください。
※関連団体等が別途就業者数等を公表している場合は「労働条件の特徴」本文中に記載されていることがあります。
就業者統計データ
就業者数
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
労働時間
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金(年収)
年齢
賃金分布(グラフ)※全国のみ
ハローワーク求人統計データ
求人賃金(月額)
(令和5年度)
有効求人倍率
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『就業形態』を表しています。
アクチュアリーが属する産業(金融業,保険業)の産業別景況動向をグラフで見ることができます。(産業全体の景況動向はこちら)
グラフの数値が大きいほど、労働者が不足と判断している。
金融業,保険業のグラフを見る
グラフの数値が大きいほど、景気が上昇と予測している。
金融業、保険業のグラフを見る
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