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職業について、内容、就労する方法、求められる知識・スキルや、どのような人が向いているかなどが総合的にわかるサイトです
各種の製品や装置に組込まれた、制御のためのLSIや小型コンピュータのソフトウェアを開発したり、製品や装置を含めシステム全体の設計や開発をする。最近はこのような製品や装置はIoTとして、インターネットを経由したデータ連携を行うことが多くなっている。以下では短くエンジニアとしている。 組込まれる製品や装置では、センサーにより周辺環境の情報を収集し、それによって製品や装置が何らかの動作をしたり、IoTであればセンサーからの情報をサーバーに送り、サーバー側で処理した結果をまた製品や装置に送り、それによって製品や装置が何らか動作をする。このような処理には小型のコンピュータが必要であり、このコンピュータのプログラムを開発する。センサーで取得した情報は誤差やノイズが含まれている場合があり、小型コンピュータはこれらを補正する役割もある。製品や装置が行った動作も小型コンピュータで確かめ、適切に行われているか確認する必要がある。 仕事としては、製品や装置を動かすためにソフトウェアを開発する場合と(ここでは以下「組込み開発」とする)、その製品や装置を含めシステム全体を開発する場合の二つがある(ここでは以下「システム開発」とする)。 「組込み開発」の典型的な例がエアコン、テレビ、洗濯機といった家電等の制御である。例えば、エアコンであれば設定された室温に温度に保つよう、センサーが温度の上昇を感知すると冷却能力を高め温度を一定にする。リモコンからの指示を受取り、エアコンをオン、オフしたり、温度を設定するのもこの小型コンピュータである。組込み開発は製品開発の中で平行して行われており、製品開発のエンジニアが行っている場合もある。また、最近、家電もインターネットと接続されるものも出てきており、インターネットを介して指令を受取ったり、逆に情報をインターネットに送信したりしている。 組込み開発は、大きく分けてハードウェア開発とファームウェア開発に分類される。ハードウェア開発は、組込み装置の用途や、大きさや価格といった制約を踏まえて、そのような部品を使ってどう構成するのがよいかを設計し、基板制作や部品の取り付けなどの実装を行う。ファームウェア開発はハードウェアに搭載されているCPUやマイコンの上で動作するプログラムを設計、作成する。多くはC言語やC++でプログラムを開発するが、場合によってはアセンブラなどを使うこともある。組込み開発では処理時間や使用できるメモリ等が限られていることが多く、このような制約のもと、目的としたプログラムを開発する必要がある。 一方、「システム開発」では、まず、顧客の現状とニーズを把握し、開発の要件を明確にすることから始め、設計、開発という流れとなる。システム開発のための製品や装置を選択し、コンピュータ言語で制御プログラムを作成する。周辺環境からの情報を受取る各種センサー、逆に何らかの動作をするパーツの選定もする。製品や装置はインターネットを介してサーバーに接続されており、サーバー側の設定をしたり、サーバー側のプログラミングも行う。出来上ったら顧客と共にテストしたり、実際の利用者に使ってもらい、不具合や改善点があれば、設定やプログラムを修正したり、場合によってはセンサー等を入替えることもある。製品や装置は広範囲に多数、設置されるため、信頼性、耐久性、安全性等のチェックが重要となる。 具体的な例として、高齢者見守りシステムの一例を挙げると、高齢者宅に小型の情報装置を配布している自治体がある。その情報装置では室温、湿度、部屋の明るさ、電力使用量、また高齢者の動きをセンサーで収集し、自治体のサーバーに情報が送られる。この情報をもとに、高齢者が問題無く生活しているか把握できるようになっている。センサーからの情報を総合し、高齢者に何らかの問題が生じていると考えられる場合は、情報装置からアラームを鳴らしたり、自治体の担当者に連絡が行く。この情報装置の選択と設定、情報装置のプログラム作成、サーバーの設定とプログラム開発等をこのエンジニアが行っている。 以上のように製品や装置を制御する組込みのソフトウェアを開発する場合と、システムとして全体を開発する場合があるが、IoTが広がる今日、実際の開発や仕事の内容は類似してきている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 OS(オペレーティングシステム:Linux)、データベース(MySQL)、表計算ソフト(Excel、スプレッドシート等)、プログラミング言語(C言語、JAVA、Python、Ruby等)、パソコン
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特集:IT・通信の仕事
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※厚生労働省が2023年度に実施した委託調査結果に基づき掲載(結果の概要はこちら)
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、大学・大学院卒が多い。新卒採用に場合は、工学、情報、通信等を履修している者が多い。中途採用の場合は、学部学科よりも、どのような開発をしてきたかという経験が重視される。 開発では最新の情報も必要になるが、大学・大学院等で開発手法や各種部品の基礎知識を身につけておくことが重要である。 入職後、仕事をしながら経験を積み、技術やスキルを身につけていく。複数の開発を経験し、顧客の要件を聞取り、実際の開発までを過不足なくできるようになれば、一人前のエンジニアと見なされる。一つの領域を深めるだけでなく、制御、通信など複数のジャンルにわたって幅広く経験することも重要である。開発実績を積み、プロジェクトマネージャー等となる場合もある。 転職する場合は、同業他社に移ったり、技術が生かせる周辺分野の他社に移ることがある。しかし、この分野のエンジニアは、他社に移動することが比較的少なく、転職を一度もしていないというような社員もいる。 製品や装置の小型コンピュータのプログラム開発では、そのハードウェアごとにプログラミング言語の選択肢は概ね決まっていることが多く、C、C++などが使われる。サーバー側のプログラム開発では言語はPHP、Java、C#、Haskellなどが使われる。また、サーバー側の開発ではサーバーのOS(オペレーティングシステム)であるLinux、データベースのMySQL等の知識も必要である。今日ではセキュリティに関する知識も重要になっている。 開発で必要となる情報は日本語のものもあるが、英語のものも多い。海外メーカーの部品やソフトウェアを利用することも多く、それらを不自由なく読める英語力が必要となる。 言われたことを実現するだけでなく、新たな仕組みを提案するような能動的な姿勢が求められる。
関連資格
関連する資格はありません
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『学歴』を表しています。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
この職業で実際に働いている人が必要と考える入職前の訓練等の期間(学歴を除く)を表します。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
この職業で実際に働いている人が必要と考える入職前の実務経験の期間を表します。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
この職業に就いた後に、周囲から特別なサポートが無くても他の一般的な就業者と同じように働けるようになるまでに必要な期間を表します。あくまで一般論ですので、職歴等により差があります。
メーカーやシステム開発会社に勤務する者が多い。職場の多くが都市部に集中している。就業者の年齢は30代~50代が中心であり、男女では男性が多い。 メーカーやシステム開発会社、また、開発の一部を委託された会社の正社員として働いていくことが多く、フリーランスはほとんど見られない。これは、今日、会社の情報保護、コンプライアンスが重視されていること、また、人手不足による人材確保のためである。 実際の製品や装置、またネットワークやサーバーが必要であり、在宅での仕事は難しい。また、機密情報を扱う場合は自宅ではなく職場で仕事をすることになる。 賃金は月給制が一般的であり、収入は比較的安定している。土日祝日が休みということが多く、フレックスタイム制、裁量労働制をとっている会社が多い。 今日、製品や装置はますます多機能になっているが、これは「組込み開発」による。また、IoTによって多くの製品や装置がインターネットに繋がり、様々なサービスが生まれているが、これを支えるのもこのエンジニアであり、活躍の場は広がっている。
システムエンジニア(組込み、IoT)が属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類の「ソフトウェア開発技術者(組込・制御系)」等)に対応する統計情報です。
※「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。
※各統計データに関する留意事項についてはこちらをご覧ください。
※関連団体等が別途就業者数等を公表している場合は「労働条件の特徴」本文中に記載されていることがあります。
就業者統計データ
就業者数
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
労働時間
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金(年収)
年齢
賃金分布(グラフ)※全国のみ
スキルレベル別給与データ(年収)
〈設計・構築〉
ITSSレベル1~2
ITSSレベル3
ITSSレベル4
ITSSレベル5以上
※金額は第一四分位から第三四分位の範囲を表しています。
ハローワーク求人統計データ
求人賃金(月額)
(令和5年度)
有効求人倍率
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システムエンジニア(組込み、IoT)が属する産業(情報通信業)の産業別景況動向をグラフで見ることができます。(産業全体の景況動向はこちら)
グラフの数値が大きいほど、労働者が不足と判断している。
情報通信業のグラフを見る
グラフの数値が大きいほど、景気が上昇と予測している。
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どのようなスキルがどの程度必要かを職業間で比較可能な形で表しています。前職や自分自身のスキルと比較することができます。
どのような分野の知識が重要であり、必要かを表しています。前職や自分自身の知識と比較し、不足する分野を特定することができます。
どのようなアビリティがどの程度必要かを職業間で比較可能な形で表しています。前職や自分自身のアビリティと比較することができます。
この職業に就いている人はどのようなことに興味がある人が多いかを表しています。自分の職業興味とあっているか、確認することができます。
この職業ではどのような点で満足感を得やすいかを表しています。あなたが重要だと思う価値観について満足感を得やすい職業かどうか確認することができます。
仕事の場所や対人業務の頻度などの、職場環境や仕事の内容などを表しています。