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職業について、内容、就労する方法、求められる知識・スキルや、どのような人が向いているかなどが総合的にわかるサイトです
顧客に寄り添い、顧客のライフプランやニーズに合った長期の資産形成のために、金融商品等の選定・運用や各種制度の活用の提案・アドバイス、売買取引の支援を行う。 類似の職業としてファイナンシャル・プランナーがあるが、独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA:Independent Financial Adviser 以下「IFA」という。)は金融商品仲介業者であるので、顧客の資産形成プランの目標に合致した個別具体的な金融商品の提案を行い、買い付け契約等の実行支援ができることに特徴がある。 IFAの業務は、IFA法人等(金融商品仲介業者)が証券会社等である金融商品取引業者又は登録金融機関(以下「金融機関」という。)と業務委託契約を結んだ上で行われる。しかし、IFA法人等は、複数の金融機関と業務提携を結んでいることが多く、経営は独立しており、顧客が目的に最も適した資産運用が可能な金融商品(投資信託、ETF、リート(不動産投資)、各種債券(国債、社債、劣後債等)、国内外株式等)を選択できるよう金融機関の営業方針からは独立した立場でアドバイスを行っている。 IFAの仕事は、これまでは主な顧客は、定年退職を控え資産運用に課題を抱えた年代層が中心であり、リタイヤ後の生活が長くなったことに合わせた資産寿命の長期化を図るためのプラン(リタイヤメントプラン)の作成及びその支援等を行うことが多かったが、最近では、30歳代からのライフイベント(子供の就学・就職・結婚、住居の購入・建替・修繕、車の購入・買替、家族旅行など)を考慮した長期的な資産運用のプラン作成の相談も増えている。 最初の段階では、ファイナンシャル・プランナーと類似した手法で、ライフイベントを聴き取り、現状把握をした上で、現状の資産配分を維持する場合、生涯に亘り資産総額がどのように推移していくかを推計する。このため、保有している金融商品等の分析・診断を行い、ライフプランを考慮したキャシュフロー表、バランスシートを作成する。 具体的には、まず、顧客のライフプランや価値観を踏まえながら、家族・年齢構成や収入・支出の内容、保有する金融資産、住宅ローン等の負債、介護・医療経費、保険など、基礎となるデータを面接等により丁寧に聴き取り収集する。また、顧客の生涯に亘る生活設計と貯蓄目標、投資手法、希望リターン割合やリスク許容度等に関する様々なニーズを詳細に把握し、これらに基づき投資方針を明確にして、総合的・長期的な資産形成の設計を行う。 これに続き、資産の投資先配分(ポートフォリオ)を検討し、金融市場動向、リターン及びリスク等に係る各種金融商品の分析・特性、当該金融商品の運用管理費等を勘案して投資先配分ごとに最適と思われる個別銘柄及び組合せを選定し、幾つかの選択肢を提案する。合わせて、iDeCo(個人向け確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)等資産形成に資する税制優遇制度の活用についても情報提供や提案を行う。顧客が当該選択肢から売買を決定した場合、金融資産取引のための口座開設や取引コース変更をはじめ各種投資手続の実行支援を行う。 また、IFA法人は顧客ニーズに応じた資産形成に関連する複合的なサービスを提供している場合が多く、具体的には、税理士事務所、会計士事務所、保険代理店、投資助言業、不動産仲介業等を兼業している。このような場合、所属するIFAは金融商品仲介業の業務のみならず保険や住宅ローン、相続、不動産等に係るアドバイス(それぞれ資格を必要とする。)を合わせて行っている。 さらに、税務、相続・贈与、不動産等に関して、必要に応じて税理士、会計士、弁護士、宅地建物取引士等の専門家等と連携して支援することもある。 当初の支援の後も、アフターフォローとして、定期的な運用状況の確認や経済激変時に不安点を解消できるようにアドバイスすることや、顧客のライフプランの変動に合わせ、場合によっては資産運用の見直しに関する相談を行う等、長期に亘りアドバイスを行う。一人の顧客に対して生涯を通して支援することがIFAの基本理念となっている。 このような個人顧客へのサービスの他に、IFA法人が一般や特定顧客に向け定期的に開催するセミナーの講師を務めたり、定期的に発行する資産形成及び金融市場動向等の各種資料の作成も行う場合もある。なお、これらセミナー参加者等が顧客の候補となる。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 インターネット、パソコン
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この仕事に就くために特に学歴は必要とされないが、実態としては、経済学部、商学部など経済系の大卒者が多いし、理系もいる。IFAとしての新卒採用は現時点ではほとんど無い。入職者は、証券会社、銀行、保険代理店等金融機関で就業していた者が中途採用されるのがほとんどといえる。債券、投資信託等の有価証券を取り扱う証券外務員や保険・相続・不動産等のコンサルタント等の実務経験を3~10年間積んでからIFA法人へ転職するのが一般的である。 金融商品取引法上、金融商品仲介業者の登録外務員として内閣総理大臣へ登録する必要がある。従って証券外務員資格(日本証券業協会)は必須である。また、生命保険を取り扱う場合は生命保険募集人として登録(一般社団法人生命保険協会)することが必要となる。 また、NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の審査試験に合格し認定される「AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)資格」、「CFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)資格」、日本証券アナリスト協会の「認定アナリスト(CMA)」や「プライベートバンカー(PB)」を取得することが顧客の信頼を得るために事実上必須なものとなっている。さらに、関連資格として、「シニア・ライフ・コンサルタント(SLC)」、「トータル・ライフ・コンサルタント(TLC)」がある。 資格取得後も最新の経済・金融情報、税制や不動産に通じている必要があるため、継続的な情報収集等が必要となる。 金利、為替相場等の金融市場や経済全般の専門知識が必要であるが、株価などの相場は経済や政治、社会情勢により刻々と変動するため、国際情勢など世界のニュースに常に注意を払い、スピーディーに情報収集することが求められる。また、個々の企業の業績、財務状況、成長可能性等についての調査・分析力、アナリストの分析等を正確に理解できる能力も重要である。そのためにインターネットによるデータ収集、得られたデータを分析・整理するなどのITの活用も不可欠となっている。 さらに、資産運用プランの設計等の計画策定能力、関係先企業との渉外・調整能力、セミナー等でのプレゼンテーション能力も欠くことはできない。 顧客の真のニーズを理解し相談内容に寄り添うヒアリングスキル、責任感があり顧客との信頼関係を維持できる対人コミュニケーション能力も重要である。金融市場が混乱し、価格が暴落するような状況でも冷静に対応できるストレス耐性も必要となる。
関連資格
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『学歴』を表しています。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
この職業で実際に働いている人が必要と考える入職前の訓練等の期間(学歴を除く)を表します。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
この職業で実際に働いている人が必要と考える入職前の実務経験の期間を表します。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
この職業に就いた後に、周囲から特別なサポートが無くても他の一般的な就業者と同じように働けるようになるまでに必要な期間を表します。あくまで一般論ですので、職歴等により差があります。
勤務するIFA法人等は大都市圏に多いが、地方中核都市にもある。 金融商品仲介業者の登録数は全国で約750程度((*1)令和5年2月現在)であるが、IFAが所属し実際に活動している法人数は約730程度(*2)とみられる。 全国での就業者数は、金融商品仲介業者(法人)の登録外務員約6,100名と個人金融商品仲介業者の登録外務員約100名を合わせて約6,200名程度((*2)令和4年12月末現在)と見込まれている。 労働条件は、勤務先の規定に従うが、雇用労働者として雇用される場合と個人事業主としてIFA法人に所属している場合がある。雇用労働者の場合は、IFA法人の正社員として雇用される場合が多く、月給制となっている。中には独立して個人で資産形成の専門家として活動している者もいる。なお、IFA法人は、一部を除き小規模な事業所が多く、転勤は無く、地元に密着して特定の顧客を長期間にわたり担当してサービスを提供することが多い。 超高齢社会を迎えリタイヤ後の生活が長期に亘ることで、将来の生活資金への不安と生涯の資産形成に関心が高まっている現下、政府は「貯蓄から資産形成へ」と安定的な資産形成に資する施策を進めるとともに、金融庁は「顧客本位の業務運営に関する原則」(平成29年3月)を定め、金融機関が顧客の利益を重視するよう取組んでいる。このような状況の中、金融機関とは独立した立ち位置でサービスできること、兼業メリットも生かしながら顧客への金融サービスを創意工夫できること、地元密着で既存の金融機関が充分にカバーできない顧客層にも適した金融サービスを提供できること等のメリットがあるIFAの役割に対する期待は高まっている。また、顧客への個別支援・アドバイスの他、一般向けの資産設計セミナーの講師、資産形成に関する著作物の執筆などで活躍するIFAも出てきているなど、今後IFAの活躍の場が増えていくことも想定される。 (*1)金融庁 金融商品仲介業者登録一覧(令和5年2月現在) (*2)日本証券業協会 金融商品仲介業者の登録外務員数(令和4年12月末現在)
独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)が属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類の「その他の経営・金融・保険の専門的職業」等)に対応する統計情報です。
※「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。
※各統計データに関する留意事項についてはこちらをご覧ください。
※関連団体等が別途就業者数等を公表している場合は「労働条件の特徴」本文中に記載されていることがあります。
就業者統計データ
就業者数
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
労働時間
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金(年収)
年齢
賃金分布(グラフ)※全国のみ
ハローワーク求人統計データ
求人賃金(月額)
(令和5年度)
有効求人倍率
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『就業形態』を表しています。
独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)が属する産業(学術研究,専門・技術サービス業)の産業別景況動向をグラフで見ることができます。(産業全体の景況動向はこちら)
グラフの数値が大きいほど、労働者が不足と判断している。
学術研究,専門・技術サービス業のグラフを見る
グラフの数値が大きいほど、景気が上昇と予測している。
学術研究、専門・技術サービス業のグラフを見る
残業時間(時間外労働時間)や有給休暇取得率、平均年齢など、企業の様々な職場情報を検索・比較したい方はこちら(クリックすると別サイトのしょくばらぼへ移り、 独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)が属する産業(学術研究,専門・技術サービス業)で検索ができます)
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どのようなスキルがどの程度必要かを職業間で比較可能な形で表しています。前職や自分自身のスキルと比較することができます。
どのような分野の知識が重要であり、必要かを表しています。前職や自分自身の知識と比較し、不足する分野を特定することができます。
どのようなアビリティがどの程度必要かを職業間で比較可能な形で表しています。前職や自分自身のアビリティと比較することができます。
仕事の場所や対人業務の頻度などの、職場環境や仕事の内容などを表しています。