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知的財産に関する専門知識を活かし、特許庁への手続き等をはじめ企業の産業財産権全般についての業務に携わる。 特許庁に対する出願書類の作成や登録申請が主な仕事であるが、知的財産に関する専門家として、知的財産権の取得についての相談をはじめ、自社製品を模倣されたときの対策、他社の権利を侵害していないか等の相談まで、知的財産全般について相談を受け、助言、コンサルティングも行う。顧客のニーズも多様化し、出願以外の仕事も増加してきている。 知的財産権には、新規な発明を創作した者に与えられる独占権である「特許権」、物品の美的外観を保護する「意匠権」、商品やサービスの名前、マークを保護する「商標権」などがある。 特許の仕事では、依頼者からの資料をもとに、発明などの特徴を見出し、その特徴を分かりやすく説明した書類や図面を作成する。作成した出願書類を特許庁に提出し、登録できるかどうかの審査を受ける。審査において登録できないと判断された場合でも、反論や書類の修正を行って登録が可能となるよう手続きを継続する。特許権を取得する際には権利範囲が重要である。単に商品や技術をそのまま出願すればよいというものではなく、その商品や技術を特許の観点から適切に捉えて出願することが必要である。 意匠の仕事は、そのデザインの特徴や、その製品の機能・用途等をヒアリングした上で、出願の内容を出願人とともに検討し、必要な書類、図面を作成する。他者の意匠が登録されている場合にはそのデザインを採用できないので、事前調査をすることもある。 商標の仕事は、依頼者の業務内容を分析し、対象となる商品やサービス、商標の態様等を依頼者とともに検討する。対象商品・サービスについては権利の範囲を画することになるので、その選定は重要である。他人の商標が登録されている場合には、使用ができないので、使用できるか否か事前調査をする。そして適切な権利範囲を見極めて出願書類を作成し特許庁に提出する。 その他、競合他社の権利登録への無効審判請求や権利侵害に対して弁護士と共同で代理人となるなど、紛争処理も扱う場合もある。 弁理士法では、「弁理士は、知的財産に関する専門家として、知的財産権の適正な保護及び利用の促進その他の知的財産に係る制度の適正な運用に寄与し、もって経済及び産業の発展に資すること使命とする」と規定している。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
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タスク(職業に含まれるこまかな仕事)
仕事の内容
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弁理士の国家試験に合格し、弁理士会へ登録する必要がある。この試験は学歴に関係なく受験することができるが、現在活躍している弁理士のほとんどが大学卒業者であり、理工系出身者が大半を占めている。 弁理士試験に合格する他、特許庁において、通算7年以上審判官又は審査官として、審判又は審査の事務に従事した者、又は、弁護士法により弁護士と認められる者も弁理士になれる資格がある。 上記資格に該当し、経済産業大臣又は大臣から指定を受けた機関が実施する、弁理士法に定められた実務修習を経て初めて弁理士登録をすることができる。 特許事務所や企業の知的財産部門に数年間勤務し、経験を積んでから独立するケースが多い。 仕事を通して、知的財産権を中心とする法律などの諸問題に精通することが求められる。特定の技術分野を専門とする人は、電気、機械、化学等、それぞれの分野の最先端技術の知識が必要となる。また、国際的にも知的財産権を巡っての競争や紛争は激しさを増しており、外国への出願、外国から日本への出願も多く、外国の弁理士と提携して仕事をすることもあり、英語をはじめ外国語の能力も必要とされる。
関連資格
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『学歴』を表しています。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
職場は、企業が集まる東京、大阪等、大都市に集中しているが、知的財産権のニーズの高まりとともに地方で開業するケースも見られる。 働き方は大きく分けて、特許事務所で働く場合と企業の知的財産部門で働く場合がある。経験を積んで独立開業する弁理士もいる。 企業の特許部や知的財産部に所属している場合、社内の知的財産権にかかわる様々な職務を幅広く経験することができる。給与は各企業及び特許事務所の基準に準ずるが、実績に応じた報酬体系を取っているケースもある。 開業している場合は、出願手数料や成功報酬、その他の業務についての手数料が収入となる。手数料は、依頼者との契約で決められるため、実績のある弁理士とそうでない弁理士では収入に大きな開きがある。実績次第で高収入が得られる仕事といえる。 企業の特許部門で働く場合も、定年後嘱託として働き続ける人が多くみられるなど幅広い年齢層が活躍している。 現在、我が国の特許出願の9割近くが弁理士によるとされる中、弁理士数は増加しているものの、我が国の出願件数と比べてもその数は少ないといえる。日本弁理士会の会員数は11,821人である(2023年6月)。
弁理士が属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類の「弁理士」等)に対応する統計情報です。
※「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。
※各統計データに関する留意事項についてはこちらをご覧ください。
※関連団体等が別途就業者数等を公表している場合は「労働条件の特徴」本文中に記載されていることがあります。
就業者統計データ
就業者数
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
労働時間
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金(年収)
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
年齢
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金分布(グラフ)※全国のみ
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
ハローワーク求人統計データ
求人賃金(月額)
(令和5年度)
有効求人倍率
(令和5年度)
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『就業形態』を表しています。
弁理士が属する産業(学術研究,専門・技術サービス業)の産業別景況動向をグラフで見ることができます。(産業全体の景況動向はこちら)
グラフの数値が大きいほど、労働者が不足と判断している。
法人企業景気予測 (出典:令和6年 内閣府・財務省「法人企業景気予測調査(BSI)」)
グラフの数値が大きいほど、景気が上昇と予測している。
残業時間(時間外労働時間)や有給休暇取得率、平均年齢など、企業の様々な職場情報を検索・比較したい方はこちら(クリックすると別サイトのしょくばらぼへ移り、 弁理士が属する産業(学術研究,専門・技術サービス業)で検索ができます)