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組織における内部統制の整備及び運用状況を調査、検討、評価し、その結果を組織トップ(社長や取締役会)に報告し、改善を提言する。 適切な企業統治(コーポレート・ガバナンス)が一層厳正に求められるようになる中で、それを支える内部統制の重要性が増している。内部統制とは、「業務の有効性及び効率性」、「財務報告の信頼性」、「法令遵守」そして「資産保全」が確保されていることを合理的に保証するために、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスであるとされる。 内部監査は、組織運営に価値を付加し、改善を可能とするとともに、組織の目標達成に欠かせない機能といえる。これを実施する内部監査人は、社長・取締役会に直属し、内部監査の対象となる業務や部署などから独立し、誠実かつ客観的な立場で監査を行う。 内部監査人の業務を具体的にみると、①監査計画を策定すること(年次監査計画、対象部署・対象業務・手続き等を定めた個別監査計画)、②対象部署において監査を実施すること(内部統制が存在するか否か、適切に機能しているか否かを把握・整理・評価)、③監査調書を作成すること(把握された事項の最終的な整理、監査調書として取りまとめ)、④監査結果を報告すること(監査調書に基づき監査報告書を作成、社長・取締役会等に報告)となる。 組織的には監査部(室)、内部監査部(室)、業務監査部(室)等の担当部門に配属されるが、人員規模、専任・他部門との兼務の別は企業の規模等による。また、監査業務は、一つの監査対象につき実施責任者1人、監査スタッフ2~3人のチームで実施するのが一般的とされる。 類似の概念に監査役監査、会計監査人監査があるが、前者は、会社法に基づき、取締役から独立した監査役が取締役の職務執行及び結果としての会計の監査を行うもの、後者は、会社法・金融商品取引法に基づき、公認会計士が会社から独立して財務諸表の適正性と適法性の監査を行うものである。これらに対して、内部監査は、企業が自主的に業務活動全般を対象にチェックを行い、内部牽制機能を働かせる任意監査である。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
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仕事の内容
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この仕事に就くために特に学歴や資格は必要とされないが、大卒がほとんどである。高卒・高専卒で現場経験を積んできた者もいる。内部監査業務を実施するには、社内の業務を心得ていること、各部署の責任者と対等に対応できることが必要であり、相応の経験が求められることから、社内異動、監査業務経験者の中途採用が多く、新卒で入社即入職するケースはほとんどない。そのため、30~50歳代が中心の年齢構成となっている。社内異動の場合の出身部門は、販売・営業部門、管理部門、経理・財務部門、総務・人事・労務部門、情報システム部門等と多様である。 仕事を一通り覚え、出張も任せられる一人前になるのは1~2年とされている。 教育方法としては、OJTを中心としつつ、講習会や勉強会への参加も積極的に行われている。 人材の育成も含めて内部監査体制の整備を図るため、最近では、新卒で内部監査の部署に配属し、数年後にはいくつかの部署を回らせてから、本格的に内部監査の仕事をさせるという方法を採るところも出てきているようである。 関係団体による内部監査士やCIA(公認内部監査人国際資格)の資格取得を奨励している会社もある。 幅広い業務知識、社会動向・法令・規制に関する知識が必要であり、かつ専門知識等の継続的な向上が求められる。業務の特性上、秘密保持や高い倫理観も要求される。また、社会人としてのコミュニケーション能力、協調性も重要である。内部監査は単に不備を指摘するのではなく、監査対象部署と共に解決の方策を探ると同時に対象部署の自発的改善を促すことで、各組織体の価値の向上に貢献するものであることから、多面的な考え方ができ、改善提案や教育的な対応もできることが望ましい。
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『学歴』を表しています。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
基本的に企業の正社員であり、労働条件は勤務先の規定が適用される。勤務時間は定時に出社して、ルーチンワークやミーティングをこなして、ほぼ定時に退勤するという流れで、残業も特に多くない。監査対象によっては監査実施時には出張が多くなるのが特徴である。 内部監査が企業ガバナンスの重要な要素として位置付けられる中、企業は内部監査部門に経営の自律的な改善を促す機能を果たすことを求めるようになっており、その体制整備が課題と認識されている。内部監査人は新しい仕事であることから、人材育成や監査業務経験者の中途採用も含めて、その需要は大きいものと考えられる。
内部監査人が属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類の「総務事務員」等)に対応する統計情報です。
※「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。
※各統計データに関する留意事項についてはこちらをご覧ください。
※関連団体等が別途就業者数等を公表している場合は「労働条件の特徴」本文中に記載されていることがあります。
就業者統計データ
就業者数
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
労働時間
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金(年収)
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
年齢
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金分布(グラフ)※全国のみ
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
ハローワーク求人統計データ
求人賃金(月額)
(令和5年度)
有効求人倍率
(令和5年度)
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『就業形態』を表しています。
内部監査人が属する産業(建設業、製造業、情報通信業、金融業,保険業)の産業別景況動向をグラフで見ることができます。(産業全体の景況動向はこちら)
グラフの数値が大きいほど、労働者が不足と判断している。
法人企業景気予測 (出典:令和6年 内閣府・財務省「法人企業景気予測調査(BSI)」)
グラフの数値が大きいほど、景気が上昇と予測している。
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