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鉄鉱石や石炭等の原料から鉄鋼製品を製造するため、生産設備を運転・監視する。 鉄鋼製造は、主に製銑(せいせん)工程、製鋼工程、圧延(あつえん)工程の3工程に分かれており、それぞれ高炉、転炉、圧延機等の設備が使用される。オペレーターは、これらの生産設備、周辺設備等機械の運転操作、稼働状況の監視を行う。配属される工程により扱う設備は異なるが仕様書、マニュアル等の操作手順に従った正確な操作を行い、担当する設備が順調に動いているかを常に監視する。軽微なトラブルには対応するが、解決が困難な場合には整備の担当者や生産に関わる技術者等に状況を報告し、相談するなど対応を図る。 鉄鋼製造のプロセスを工程に沿ってみると、鉄鉱石から銑鉄(せんてつ)を製造する製銑工程では、鉄鉱石(電気炉の場合は鉄スクラップ)やコークス、石灰石などの原料を装入し、熱風を吹き込むことで還元・溶解させ、銑鉄を取り出す。 銑鉄を精錬して不純物を取り除き、鋼片(こうへん:スラブ)に加工する製鋼工程では、銑鉄を転炉と呼ばれる大きな鍋に入れて精練し、不純物を除去する。不純物が除去された溶鋼を所定の鋳型(いがた)に流し込み冷却させて固め、鋼片、鋼塊(こうかい)を作る。 鋼片を鋼板などの鋼材に加工する圧延工程では、鋼片等を加熱し、圧延機の回転する2本のロールの間にさし込み、伸ばしたり、薄くしたりして成形する。材料にかける圧力、圧延回数、圧延時間などに注意しながら目的の形状、厚みにする。 最後の仕上げ作業は、曲がりを直す作業、注文の長さに切断する作業、寸法を測定する作業などが含まれ、それぞれの担当が機械を操作して圧延鋼材を注文通りに仕上げる。また、製品の品質を変えるための熱処理、さびを防止するためのめっき処理などを行う。 鉄鋼製造は、製銑から鋼板(こうはん)の製造までの作業を1か所に集中させることが効率化につながる典型的な装置産業である。それを実現するのは、高炉・転炉・圧延機を一貫して稼働させる高炉メーカー(銑鋼一貫メーカー)である。高炉メーカー以外の鉄鋼メーカーとしては、高炉を持たず、銑鉄や鋼片を仕入れて製鋼や圧延加工だけを行う平炉(へいろ)メーカーや圧延メーカー、鉄スクラップを原料として製鋼から鋼材製造までを手がける電炉(でんろ)メーカーなどがある。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
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入職にあたって特に学歴や資格は必要とされない。オペレーターとして採用された後、集合研修などを経て、本人の希望もすりあわせて、製銑、製鋼、圧延等の製造工程に配属される。工程間のジョブローテーションの有無等、配置方針は会社によって異なる。 知識・技能は新入社員教育をはじめ、計画的な教育・訓練や、配属職場における上司や先輩からの日常指導の中で習得していく。 オペレーターとして一人前に作業できるようになるには10年程度の実務経験が必要と言われている。そのため、新人社員教育の後にも、階層別教育、年次別教育(例えば、3年目研修、6年目研修、10年目研修等)を社内で実施しているメーカーもある。入職後の作業内容によっては、「クレーン運転士」の免許や「危険物取扱者」、「玉掛技能者」の資格が必要となる場合がある。また、日本鉄鋼連盟の発起により開学した産業技術短期大学に、高炉メーカーなどが若手・中堅層を社会人学生として派遣している。 製鉄の仕事は習熟に時間がかかり、技能が設備に密着したものが多いことから、様々な作業を経験する中で技能の幅を広げ、能力や経験に応じて、より高い技能を必要とするポジションへと昇進していく。キャリアパスとしては、オペレーター・担当→チームリーダー・班長(自ら操業を行いつつ、自職場のオペレーターをまとめる役割)→作業長・係長(操業はせず、マネジメントなど現場をまとめる役割)→統括・課長(事務職との折衝、作業長の統括)というルートが一般的である。 機械操作を行うためには、その前提として知識が必要であり、例えば、圧延機の操作ではまず圧延機の構造や機能を理解するための機械や電気の知識、また圧延する過程では鉄の性質の変化を理解するための冶金的な知識が必要となる。これと同時に、諸設備を正確・安全かつスムーズに運転するための運転技能を身につける必要がある。また、最近は自動化が進んでいるため、制御システムに対する知識も必要になっている。 計器類からの情報に反応して、的確にレバー、ボタン類を操作する必要があるため、正確な認識力と判断力、機敏性が求められる。また、機械の大型化・自動化に伴って、センサーなど測定機器からの情報をモニター画面で監視したり、遠隔操作も多く、同時に工程を直接目で見て判断する業務も多いことから集中力、注意力が求められる。
関連資格
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『学歴』を表しています。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
この職業で実際に働いている人が必要と考える入職前の訓練等の期間(学歴を除く)を表します。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
この職業で実際に働いている人が必要と考える入職前の実務経験の期間を表します。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
この職業に就いた後に、周囲から特別なサポートが無くても他の一般的な就業者と同じように働けるようになるまでに必要な期間を表します。あくまで一般論ですので、職歴等により差があります。
勤務先は主に製鉄会社である。特に、高炉メーカーは大型の装置産業のため、地盤が強固で、水利が確保できる「港湾立地型」であり、勤務地も沿岸地域の工業都市の場合が多い。 就業者は過去においては男性比率が高かったが、近年では女性の積極採用も行っている。作業は4~5人のグループで行うが、高卒の新卒者から高齢者まで年齢構成は幅広い。 勤務体制は、4組3交替制が一般的である。中には3組3交替、2組2交替を採っている場合もある。大半が正社員であり、賃金は月給制である。 鉄鋼製造現場は、かつての力仕事から、設備の操作、計器の監視等へと変わってきている。今後は、設備の自動化、連続化によって従来のローテーションの枠組みを超え、1人のオペレーターが担当する作業領域の拡大化も考えられ、オペレーターに求められる知識やスキルの高度化が進むと予想される。また、熟練オペレーターが次々と退職期を迎えるなか、技術の伝承が課題となっている。このため、熟練オペレーターのもつ経験、知識をマニュアル化したり、生産工程をデジタル化して効率的なモデルを作成したりするなど、取り組みが進められている。
鉄鋼製造オペレーターが属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類の「製銑・製鋼・非鉄金属製錬設備オペレーター」等)に対応する統計情報です。
※「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。
※各統計データに関する留意事項についてはこちらをご覧ください。
※関連団体等が別途就業者数等を公表している場合は「労働条件の特徴」本文中に記載されていることがあります。
就業者統計データ
就業者数
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
労働時間
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金(年収)
年齢
賃金分布(グラフ)※全国のみ
ハローワーク求人統計データ
求人賃金(月額)
(令和5年度)
有効求人倍率
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『就業形態』を表しています。
鉄鋼製造オペレーターが属する産業(製造業)の産業別景況動向をグラフで見ることができます。(産業全体の景況動向はこちら)
グラフの数値が大きいほど、労働者が不足と判断している。
製造業のグラフを見る
グラフの数値が大きいほど、景気が上昇と予測している。
鉄鋼業のグラフを見る 金属製品製造業のグラフを見る 生産用機械器具製造業のグラフを見る
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どのような分野の知識が重要であり、必要かを表しています。前職や自分自身の知識と比較し、不足する分野を特定することができます。
どのようなアビリティがどの程度必要かを職業間で比較可能な形で表しています。前職や自分自身のアビリティと比較することができます。
仕事の場所や対人業務の頻度などの、職場環境や仕事の内容などを表しています。