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パソコン(PC)やタブレットなどのIT機器をユーザーがすぐに業務に使えるようセットアップする作業(「キッティング」という)を行う。 PCなどのIT機器は、メーカーから出荷された製品に、使用環境に合わせた各種設定やソフトウェアのインストールなどを行うことにより、業務等に円滑に使用できる状態になる。PCのキッティング作業では、定められたマニュアルの手順に従って、まず機器を開梱・通電し、モニターやマウスなど周辺機器を接続する。次に、必要なOS(オペレーションシステム)をインストールし、初期設定、アカウント設定を行って、ネットワークに接続する。次いで、業務アプリケーションやセキュリティソフトをインストールし、各種設定の動作確認を行う。問題がなければ機器に管理シールを貼り、管理台帳などへ登録して1台分の作業が終了する。動作のトラブル等が生じた場合は、チームリーダー等と相談して解決を図る。社外から社内システムへ接続するネットワーク設定の作業を行う場合もある。 1台当たりの作業時間は条件によって異なるが、おおむね1~4時間程度かかり、複数の機器をキッティングする場合は同様の手順で台数分の作業を繰り返していくことになる。 インストール等、時間のかかる作業を同時並行で複数台行う場合もある。 企業の人事異動時期や機器の入れ替え時、OSの移行時など、キッティングが必要となる台数が多い場合は、チームを組んで何日間かにわたり作業を続ける。 大規模な案件の場合、機種ごとに1台のマスターPCを作成してその内容を他のPCに反映していくクローニングという手法がとられることもある。クローニングを用いる場合でも、PCごとに必要な個別設定は手作業のキッティングで行う。 IT機器のスペックが高度化し、セキュリティ強化も求められる中で、キッティングに必要となる知識が増え、作業手順も複雑化している。また、一度に大量の機器の設定が必要となる時期には全体の作業量は膨大なものとなる。このため、一般のユーザー企業が自社内の担当者だけでキッティング作業を効率的に行うのは難しく、アウトソーシングする企業が多くなっている。 ◇よく使う道具、機材、情報提供等 作業マニュアル、パソコン、タブレット
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仕事の内容
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入職に当たって必須となる学歴や資格はない。未経験者でもマニュアルに従って作業を行うことができるが、基本的なITの知識やPC操作の経験があると仕事を進めやすい。 職場のIT機器のキッティングは、自社の社員で行うケースとアウトソーシングするケースがあるが、一般の企業ではキッティング作業に特化して社員を採用・育成することは少なく、アウトソーシングが進んでいる。特定の時期に作業が集中するため、作業を受託する企業では派遣労働で対応することが多く、キッティング作業員も派遣労働者としての募集が多い。自社内で社員がキッティングを行うIT関連企業などでは、運用や開発などの各部門に進む入口としてキッティングを担当させることがある。 キッティングを事業として行うIT関連企業では、未経験者にITの基礎知識に関する研修を行ったり、チームを組む先輩がサポートする体制をとったりして育成する場合もある。スキルを上げるには、案件ごとに渡されるマニュアルに従って作業を進めながら実務に慣れるのが基本である。 経験を積んで複雑な設定やトラブルなどにも対応できる知識やスキルを習得したり、 「ITパスポート」(情報処理推進機構)などIT関連の基礎的な資格を取得し、さらに高度なスキルを身につけることにより、作業グループのリーダーとなったり、ヘルプデスクやユーザーサポートなど専門的な仕事に進むことも可能である。 キッティングは、決められた手順に沿って細かい作業を正確に行うことが求められ、対象となる機器の台数分同じ作業を繰り返し行うことになる。マニュアルから逸脱せず、黙々と丁寧に作業を行う根気強さと集中力が必要である。また、想定していないトラブルが発生した場合などに、あわてずに状況を把握してリーダー等に相談できる冷静さも大切である。
関連資格
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『学歴』を表しています。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
IT機器を使用する事業所がある地域であればキッティングの需要があるので、都市部を中心に全国に就業場所が存在する。IT関連企業のほか、キッティング作業のアウトソーシングを受託する企業の社員や派遣会社の派遣労働者として働くことが多い。大規模なキッティングセンターや物流倉庫などに集約して作業が行われることもあるが、顧客先に出向いて作業を行うことが多いので、実際の就業場所は1日~数週間といった短期間で変わるのが一般的である。 副業的に従事している人もおり、就業者の年齢層は幅広い。 企業の社員として働く場合、賃金・労働時間等はその企業の規定による。顧客先の業務時間外や休業日に作業を行うこともある。このため、対応する案件により、労働時間帯や休日はさまざまである。派遣労働者の場合は、必要な日数の短期の派遣として時給・日給制で働くことが多い。 IT分野の技術革新のスピードは速く、機器やソフトウェアの更新、セキュリティ強化への対応など、PC等のメンテナンスの重要性は今後とも増大していくとみられる。このため、キッティング作業に対する需要も引き続き大きいと考えられる。
キッティング作業員(PCセットアップ作業員)が属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類の「その他のコンピュータ等事務用機器操作の職業」等)に対応する統計情報です。
※「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。
※各統計データに関する留意事項についてはこちらをご覧ください。
※関連団体等が別途就業者数等を公表している場合は「労働条件の特徴」本文中に記載されていることがあります。
就業者統計データ
就業者数
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
労働時間
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金(年収)
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
年齢
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金分布(グラフ)※全国のみ
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
ハローワーク求人統計データ
求人賃金(月額)
(令和5年度)
有効求人倍率
(令和5年度)
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『就業形態』を表しています。
キッティング作業員(PCセットアップ作業員)が属する産業(情報通信業)の産業別景況動向をグラフで見ることができます。(産業全体の景況動向はこちら)
グラフの数値が大きいほど、労働者が不足と判断している。
法人企業景気予測 (出典:令和6年 内閣府・財務省「法人企業景気予測調査(BSI)」)
グラフの数値が大きいほど、景気が上昇と予測している。
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