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特許庁は、生活を支える様々な発明を守り、次世代のイノベーションを促す役割を担う。具体的には、知的財産権のうち特許、実用新案、商標、意匠の4つの権利(産業財産権)を所管しており、このうち特許は、発明、すなわち、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものを保護の対象としている。特許審査官は、特許庁に勤務し、出願された発明を最新技術や法律的な知識に基づき審査し、特許性を判断する。 特許審査官は、まず、出願された書類を精査し、発明内容を理解するとともに、庁内外の検索システムを用いて、世界中の特許文献や学術論文のデータベースから過去に類似の技術がないか、先行技術調査を行う。出願された発明と先行技術との比較を行い、特許性があると判断した場合は特許査定を、ないと判断した場合は拒絶理由通知を行う。拒絶理由通知に対しては、出願人は意見・補正等の応答を行うことができ、出願人とのやり取り(基本的には書面であるが、面接審査が行われる場合もある)を踏まえて再度審査をし、最終的に特許査定、拒絶査定をする。審査は審査官が単独で行うが、判断が難しい場合など必要に応じて他の審査官との意見交換や協議も行われる。特許となった出願については特許公報が発行されるが、その特許公報には特許査定をした審査官名も掲載される。特許権を適切に設定することで、日本の産業の発展に貢献する。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 特許検索システム、文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
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タスク(職業に含まれるこまかな仕事)
仕事の内容
国家公務員総合職試験(大卒程度試験、院卒者試験)の技術系区分に合格する必要がある。専門分野としては、工学系、化学・生物・薬学系、数理科学・物理・地球科学系、農学系のあらゆる試験区分の合格者の中からまんべんなく採用されている。採用人数は年度によって異なるが、おおむね30~40名程度である。 採用後は約3か月の研修を経て審査官補に任用され、指導審査官によるマンツーマン指導の下に実際の出願案件の審査を行う。また、法令、条約、審査実務の専門知識を習得する前期研修(約2か月)、後期研修(約1か月)のほか、英語研修や企業での技術研修などを経て、大卒では入庁5年目に審査官に昇任するのが一般的である。修士卒は4年目、博士卒は3年目に審査官に昇任することができる。 基礎的な知識の習得のための研修のほか、技術動向、法律、海外判例等を把握できる研修制度、留学制度も充実している。 発明の審査という高度な専門性を必要とする仕事であり、最新の技術動向に関心を持ち、担当分野の研究開発情報を収集する向上心が求められる。また、出願人や利害関係者が納得できる審査を行うためには、論理的な思考力や合理的な判断力、バランス感覚が必要である。さらに、書面でのやり取りが多いため、論述能力も重要であり、海外論文を調査することも多いことから、英語力も不可欠である。
関連資格
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この職業で実際に働いている人が多いと感じる『学歴』を表しています。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
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主な就業場所は東京の特許庁である。ただし、他省庁や関係機関、大学等へ出向、海外勤務の機会もある。 特許審査官の定員は2022年度現在1,662名であり、特許庁定員の約6割を占める。近年は採用者数のうち3分の1程度が女性である。 給与、勤務時間、休暇、福利厚生等の労働条件は国家公務員法の規定による。 審査業務は基本的に審査官が単独で案件を担当する形を取っており、ある程度自分のペースで仕事を進めることができる。フレックスタイム制度などを活用し、ライフスタイルに合わせて働くことも可能である。
特許審査官が属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類の「その他の法務の職業」等)に対応する統計情報です。
※「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。
※各統計データに関する留意事項についてはこちらをご覧ください。
※関連団体等が別途就業者数等を公表している場合は「労働条件の特徴」本文中に記載されていることがあります。
就業者統計データ
就業者数
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
労働時間
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金(年収)
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
年齢
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金分布(グラフ)※全国のみ
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
ハローワーク求人統計データ
求人賃金(月額)
(令和5年度)
有効求人倍率
(令和5年度)
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『就業形態』を表しています。
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特許審査官が属する産業(公務(他に分類されるものを除く))の産業別景況動向をグラフで見ることができます。(産業全体の景況動向はこちら)
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