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IT(情報技術)を含むデジタルの技術によってビジネスや社会の変革を目指す。最近、DX(デジタルトランスフォーメーション:Digital Transformation)という言葉をよく耳にする。これは、デジタルによってビジネスや社会を変革するという意味であるが、デジタルビジネスイノベーターはこの変革を担う人材と言える。 デジタルによる変革は、ITベンチャーから始まったが、現在では大手IT企業やメーカー、サービス業、流通業などにも広がっており、作業効率の飛躍的な向上を実現させたり、これまで出来なかったことができるようになるなど、革新的な新たなビジネスを生み出している。 デジタルビジネスイノベーターの具体的な仕事内容は、事業形態や分野によってかなり異なるが、一般的な例を基本的な業務の流れでみると次のようになる。 まず、顧客からの相談を受けて、問題の所在を顧客とともに洗い出す。社内に持ち帰り、社内外に蓄積された知見とともにチーム内で問題を検討する。チームで考えた問題の整理を顧客に提示し、議論を深め、更に問題をチームで検討する、という作業を繰り返す。この場合、わずかに視点を変えるだけで、大きな変化を生み出すこともある。問題の解決方法に目処が立ったところで、システム等の開発チームと協力してソリューションとしてまとめる。このソリューションを顧客に提示する、という流れになる。 この他、複数の顧客から同様の相談がある場合も多く、その共通点を洗い出して、問題をチームで検討し、特定の顧客や業種にとどまらない一般的なソリューションとして提供したり、洗い出された共通点をベースに新たなイノベーションを生み出していくという場合もある。 顧客からの相談がなければ動かないのではなく、普段から社内の蓄積をベースにチームで様々な発想でイノベーションにつなげたり、経営トップや各分野の専門家など様々な人々と情報や発想、意見の交換をすることも重要である。こうして専門分野の知識やビジネスが抱える問題について、認識を絶えずアップデートし続ける。その一方で、自然や芸術など直接関係ないことにも興味を持つことが、イノベーションを生む発想につながることもある。 最近では、大手IT企業の中にもデジタルイノベーターを制度として設け、若手のSEやソフトウェア開発者を職種転換させ、事業アイデアの創出、新たなサービスの開発などを担当させるところも出てきている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、表計算ソフト(Excel、スプレッドシート等)、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、パソコン
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タスク(職業に含まれるこまかな仕事)
仕事の内容
グラフの目盛り
スキルレベルごとのタスク
※厚生労働省が2023年度に実施した委託調査結果に基づき掲載(結果の概要はこちら)
この仕事をするには、特に学歴や資格は必要とされない。理系か文系は問われないが、デジタルについての深い理解とそれを経営にどう活かせるか考えながら、経験と実績を重ねていく。企業に所属する場合は開発部門や技術部門が多い。 ベンチャー企業として新たな事業として展開していくか、大企業の場合は社内ベンチャーのような形となる。学生起業家を取り込む会社もある。学生でコンペティションに参加したり、会社のインターンになり、それがきっかけで企業から起業支援を受けることもある。 その後のキャリアパスとしては、起業して経営者になったり、所属する会社で昇進していくケースもある。自らの技術や産業の知識を深め、その分野の専門家になっていくという場合もある。 エンジニア同士で話が通じる技術的素養やエンジニアとしての発想を持つこと、また、ビジネスで活躍している人と人脈を築くことが必要である。ビジネスでのアイデアや発想を理解し、技術的な裏打ちのある方法を考え、周囲が理解できる形で提示できる構想力やコミュニケーション能力が求められる。ビジネスとしての可能性を探るとともに、社会にどう貢献できるか、どう役立つかといった幅広い視野をもった発想が必要である。 常に技術論文を読み、デジタル技術、ITスキルを高め、関係者と情報交換するなど、最新の幅広い知識を持つことが必要である。具体的には、社内外の勉強会や学会に参加したり、エンジニアの交流サイトに参加し、情報収集、情報提供、情報交換するとともに人脈も広げていくことが重要である。
関連資格
関連する資格はありません
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『学歴』を表しています。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
就業場所は企業が集積している大都市圏が多い。また、アカデミズムとのつながりも強いため、大学のある都市に多い傾向もある。 年齢的には、研究開発等の経験をある程度積んだ、30代後半~50代前半が中心となっている。現在は男性が大半であるが、イノベーションの対象となる分野の広がりとともに女性が増えていくと見込まれる。 9時から5時といった定時勤務が必要な仕事ではなく、フレックスタイム制やオフィス勤務に縛られないリモート勤務を導入しているところもあり、テレビ会議なども活用されている。 日本がこれからも活力ある経済社会を維持、拡大するためには、デジタルイノベーションが不可欠であると認識されている。2009年に経団連の有志企業により設立された特定非営利活動法人CeFIL(セフィル)は、2016年に「デジタル・テクノロジーを活用したビジネス・イノベーション」を掲げ、DBIC(デジタルビジネスイノベーションセンター)を開設している。
デジタルビジネスイノベーターが属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類の「ITコンサルタント」等)に対応する統計情報です。
※「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。
※各統計データに関する留意事項についてはこちらをご覧ください。
※関連団体等が別途就業者数等を公表している場合は「労働条件の特徴」本文中に記載されていることがあります。
就業者統計データ
就業者数
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
労働時間
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金(年収)
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
年齢
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金分布(グラフ)※全国のみ
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
スキルレベル別給与データ(年収)
※厚生労働省が2023年度に実施した委託調査結果に基づき掲載(結果の概要はこちら)
〈企画立案・プロジェクト管理〉
ITSSレベル3
ITSSレベル4
ITSSレベル5以上
※金額は第一四分位から第三四分位の範囲を表しています。
ハローワーク求人統計データ
求人賃金(月額)
(令和5年度)
有効求人倍率
(令和5年度)
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『就業形態』を表しています。
デジタルビジネスイノベーターが属する産業(情報通信業)の産業別景況動向をグラフで見ることができます。(産業全体の景況動向はこちら)
グラフの数値が大きいほど、労働者が不足と判断している。
法人企業景気予測 (出典:令和6年 内閣府・財務省「法人企業景気予測調査(BSI)」)
グラフの数値が大きいほど、景気が上昇と予測している。
残業時間(時間外労働時間)や有給休暇取得率、平均年齢など、企業の様々な職場情報を検索・比較したい方はこちら(クリックすると別サイトのしょくばらぼへ移り、 デジタルビジネスイノベーターが属する産業(情報通信業)で検索ができます)
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