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自動車のボディ(車体)にドアやエンジンなどを組み付けて、完成車を組み立てる。 自動車の製造過程は、企画、デザイン、設計などの開発、生産性の検討、工程計画、設備調達などの生産準備、そして生産の3工程に分けられる。このうち生産工程は、鉄板を型に合わせてプレスし、部品(パネル)を作るプレス工程、パネルを溶接ロボットでつないでボディの骨格を組み立てる溶接工程、ボディにさび止め処理と塗装を行う塗装工程、エンジン製造工程、組立工程、検査工程に分けられるが、自動車組立の仕事は組立工程を担っている。 自動車は、ネジなども含めると約4,000種類、個数にして約3万個の部品で構成されているが、この組立工程ですべての部品が取り付けられることになる。なかでもメインとなる部品がエアコンなどの操作スイッチや計器が並んだインストルメントパネル、車体前後のガラス、バンパー、シャーシ、エンジン、シート、タイヤ、ドアである。このうちシャーシにはサスペンションやトランスミッション、ステアリングギアなど足回り部品を事前に組み込んでおいたものをエンジンとともに、電動リフターで持ち上げた車体(ボディとも言い、自動車の胴体部分)の下から取り付ける。シートはロボットアームを使って車体に設置し、タイヤは4体のロボットを使ってはめ込み、ネジで締める。ドアは可動式の機械に固定してネジで留める。すべての部品の取り付けが終わったら、ガソリンを少量入れて、作業員が運転して検査工程へ送る。 これらの部品の取り付け作業は、通常、いくつかの部品の組み付けを数人で分担する分業体制をとって、コンベアを組み合わせたラインで流れ作業の形態で行われる。ラインを流れてくる車両や機能ユニットに部品を組み合わせ、ボルト、ナットで締め付けて車両やユニットなどを完成させる。ライン上の作業は細かく分けられているので、1人が担当する作業は作業内容によって異なるが1分から10分程度で終了する。いずれにしても、決められた手順に従って仕事を進めていけば、一定時間内に正確に組立が完了するように作業が組まれている。 自動車組立の場合、同一ラインで生産する同一車型(同車種)の車でも、出荷先、塗色、グレードなどによってそれぞれ仕様が異なるため、各作業者は指示書に基づき、誤りなく部品を組み付けていく必要がある。また、こうして組付けがすべて終了した車両は完成検査工程に回され、その主要な性能、機能が基準を満たしているかどうかをチェックし、必要があれば調整する。 自動車の生産は自動車のパーツごとにいくつかの工程に分かれており、その工程によっては一人で組付けを担当することもあれば、数名から10数名のチームで組付けを行うこともある。 最近では、コンベア上を次から次へと移動してくる車体に組立担当が同じ作業を繰り返す方式ではなく、組立工が車体を積載した搬送ユニットに乗り込んで、複数部品の組み付けを行う「セル生産方式」を採用している例もある。
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仕事の内容
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入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。 入職後は、基本的な研修を受け、その後は実際に作業をしながら技能・技術を習得していくのが一般的である。最近は、組付部品の指示にはコンピューターが用いられ、組み付ける際の位置もセンサーで正確に計算するので勘や経験に頼ることは少ない。未経験者でも研修を受ければ作業に入ることができることが多い。あとは先輩の指導を受けながら経験を積んで熟練度を上げていくことになる。経験を積むと、班長、ライン長などの管理・監督職に昇進していく。キャリアパスとしては、上記のように部門内でキャリアアップしていくほかに、社内の認定基準を満たして完成車両検査員になるなど、他部門へ異動するケースもある。 長時間の立ち仕事が多いので、一定の体力が必要である。同じ作業を繰り返し行う仕事なので、持続力や注意力も求められる。 ベテランになるに従って、単一作業にとどまらない複数の作業を習得し、さらに工場生産についての全体の仕組みと自動車の構造を熟知した上で生産方法の改善を考える力や、後輩を指導しチームとしての成果を上げる力が求められるようになる。
関連資格
関連する資格はありません
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『学歴』を表しています。必須とは限りませんので、詳細は「就業するには」を確認してください。
勤務先は自動車メーカーであり、職場は完成車を製造する工場である。就業する地域は自動車メーカーが集中する関東、中部、中国、九州地域のほか、関連工場が所在する東北や関西などとなっている。 雇用形態としては、正社員のほかに、有期契約の期間工がある。会社によっては期間工から正社員へのルートを設けているところもある。労働者派遣による就業形態も一定程度ある。 賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。勤務形態は、昼勤と夜勤を2交替勤務が多い。休日は週休二日制であるが、生産量の関係で、残業や休日出勤を行うこともある。 労働環境は屋内作業で、ロボットなど自動化装置の導入により、体力など労働の負荷は次第に軽減されている。セル生産方式の採用により、作業員の疲労度の軽減や部品のラインへの搬入作業の削減により作業効率の向上を実現している。 ロボット化など効率的な生産方式の採用も進行中で、AIの活用などによる革新も期待される中、将来的には自動車組立の仕事の内容が変わる可能性がある。
自動車組立が属する主な職業分類(厚生労働省編職業分類の「自動車組立工」等)に対応する統計情報です。
※「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。各統計データで使用されている職業分類の詳細については職業分類対応表をご覧ください。
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※関連団体等が別途就業者数等を公表している場合は「労働条件の特徴」本文中に記載されていることがあります。
就業者統計データ
就業者数
(出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成)
労働時間
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金(年収)
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
年齢
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
賃金分布(グラフ)※全国のみ
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
ハローワーク求人統計データ
求人賃金(月額)
(令和5年度)
有効求人倍率
(令和5年度)
この職業で実際に働いている人が多いと感じる『就業形態』を表しています。
自動車組立が属する産業(製造業)の産業別景況動向をグラフで見ることができます。(産業全体の景況動向はこちら)
グラフの数値が大きいほど、労働者が不足と判断している。
法人企業景気予測 (出典:令和6年 内閣府・財務省「法人企業景気予測調査(BSI)」)
グラフの数値が大きいほど、景気が上昇と予測している。
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