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事例集

「性別に関わらず活躍できる職場を求めて、アパレル業界から化粧品メーカー人事部へ転職 廣川直子さん」

廣川直子さん

1980年生まれ。アパレルメーカーの営業職として就業した後、ファッション通販のバイヤーを経験。
その後、女性が活躍できる職場を求めて化粧品メーカーへ転職。現在は人事部で従業員の働き方向上に向けた取り組みを行っている。

現在の職業を決めるまで

―――以前のお仕事について教えてください。
アパレル関係の仕事に就いていました。

服飾系の短大を卒業した後、一般企業に2年ほど勤めましたが、興味のあったファッションに関わる仕事がしたく、アパレルメーカーの営業職に転職しました。そちらの会社では、モノづくりや加工をして製品となるまでの過程など様々なことを学ばせていただき、多くの経験させていただきました。その後、今度はエンドユーザーに近い業務に挑戦したいという気持ちがあり、ファッション通販のバイヤー職に転職。3年勤務したのち、今の会社に移りました。

―――なぜ、長年働いていたファッション業界から化粧品メーカーへ転職を決意されたのですか?
どんなライフイベントがあっても働けて、性差なく活躍できる職場で働きたかったからです。

20代まではやりたいことができる仕事を選んで仕事をしていましたが、30代になり今後の人生を考えた時に将来色々なライフイベントがあっても仕事を続けたいので、それができる会社でやりたいことをみつけたいと思い転職しました。

現在の会社は7割が女性社員で、出産や育児など様々なライフイベントに関わらず働き続けられる制度が整えられていることに魅力を感じました。

―――転職するにあたってどのような準備をしましたか?
具体的な準備というよりは、ライフイベントに関わらず仕事を続けられる制度が整っている職場で働きたいという気持ちを明確に持って、転職活動を行いました。
転職することに対しても、以前に転職経験があったため、転職に対する敷居が下がっていたからかもしれません。むしろ「転職は自分の経験が増える」と前向きに捉えていました。

業界未経験で化粧品業界に飛び込んでみて

―――化粧品業界や人事部で働き始めた最初の印象は?
化粧品業界だからなのかは分かりませんが、今働いている会社では子育てと仕事を両立して働いている人の多さに驚きました。

また、人事は業務領域の幅が広く、個ではなくチームで働くことの重要性を感じています。
人事の業務は採用・異動・育成・社内制度の整備・組織風土改革・働き方・DE&I(書ききれないほど他にもあります…)など多岐にわたります。人に関わる業務なので、自分の担当領域だけでなく人事全体での動きが重要です。他のチームや、時には社内の様々な部署と連携し、今自分のチームは何をすべきか考える必要があり、日々勉強中です。

―――人事部で働くやりがいをどんな時に感じますか?
私自身、ライフイベントに関わらず活躍できる職場を求めていましたので、そのような環境を構築できたときにやりがいを感じます。

昨年、社内の女性用トイレに生理用ナプキンを設置する取り組みを行いました。導入は想像以上に大変でしたが、導入後に女性社員から「会社がこういった取り組みをしてくれるのが嬉しいです。」と言葉をもらえたことで、やりがいを強く感じました。

現在は、育休制度の充実に向けた取り組みも行っています。性別に関係なく育休を取得でき、復帰後も働きやすい環境を整えています。育休制度を利用した社員からは「家族と向き合う貴重な時間をもてた」「家事育児もしっかり分担して、夫婦で協力体制を築いて両立頑張っています」という声をいただいています。

廣川さんの上司である國友様にもお話を伺いました。
―――廣川さんの働き方や姿勢に対してどのような印象をお持ちですか?

業務課題の解決に向け、今何をすべきかを深堀りし、実現に結びつける能力は非常に高いと思います。
「一社員として、一人間としての幸せ(ウェルビーイング)の実現」という観点から、社員が将来どんなビジョンを描き、そのビジョンを実現するために何をするべきかが重要であるという意識を強く持っています。

社内制度は作ることが目的となってはいけません。社員個々人のビジョンの実現を後押しするために制度はあるものです。制度のあるべき姿を廣川さんはよく理解しています。

現在は廣川さんを中心にチームとして動いており、DE&I活動(職場におけるすべての人の公正な扱いと参画を促進すること)がとても充実してきました。次は、この取り組みを社内全体(個から全体へ)に広めたいと感じています。従業員がDE&I活動のような取り組みを理解すれば、より安心と誇りを持って働ける環境に近づきますので。

人事部での日々の業務

―――1日の勤務時間や業務内容を教えてください。
現在は9:00~18:00で働いています。チームの出社業務がある週1日を除いて、基本的には在宅ワークという勤務形態です。
10:00頃まではインプットの時間にあてています。メールチェックをした後、社用のパソコンで学習できる制度があるので、その制度を活用して自己学習。10:00以降は打ち合わせや資料作成、データ作成など自分がやるべき仕事のスケジュールを立てながら進めるという流れです。

社歴に関係なく興味のある仕事に挑戦できる環境のため、個人の裁量に任される範囲が広く、やりがいを持ちながら働けています。

―――前職で身につけた知識やスキルで役に立っているものはありますか?
その人の強みはどこかをくみ取る力が役に立っています。
営業・バイヤーを通じて、どの取引先も独自の強みを持っており、それを事業に生かしていらっしゃるところを沢山見る経験ができたと思っています。その経験から相手の強みは何かを自然に考える癖ができたと思います。今は一緒に働く人の強みを知り、どう協働したりどこを頼ればいいかにつながっている気がしています。

―――今後、何か資格を取得したいなど、キャリアアップの面で考えていることはありますか?
動画編集のスキルを身につけたいと考えています。
社内には色々な制度が存在していますが、実際に働くかたにお伝えできていない制度が多くあります。一見すると関係のないスキルに思われてしまうかもしれませんが、短時間で分かりやすく知っていただけるような発信ができるような動画編集技術を身につけたいです。

異業種転職を考える方に向けて

―――異業種転職するにあたり、戸惑いや苦労したことはありましたか?
実は、特にありませんでした。
というのも、私自身、転職は自分の経験が増える機会だと前向きに捉えているからです。
20代では色々な経験をしてみたかったので、やりたい仕事に転職し沢山の経験をさせていただきました。40代になり、その経験が活きてきたと感じています。

―――異業種転職してよかったことはありましたか?
人との出会いにより、様々な学びから可能性が広がったことです。
私は個人で働くよりも、チームで働く方が合っていたんだなと気付くことができました。これも転職して、人との出会いがあったからこそ気付けた点です。

―――これから異業種転職を考えている人に向けてアドバイスはありますか?
他の人になくて、自分が持っているスキルや得意なことを、それらを俯瞰して見つめ直すことが大切です。異業種転職となると、専門的な知識が無くて不安に感じるかもしれません。しかし、組織やチームにどのような点で貢献できそうかを把握することで、不安が軽減されます。
とにかくチャレンジしていく精神が大事だと思っているので、悩んでいる方は情報を集めたり、業界について調べたりして、まずは行動を起こすべきだと思います。

job tagは転職前に自分を見つめ直せるツール

―――本サイトに関する感想やご意見があれば教えてください。
job tagを活用することで自分の「強み・弱み」が分かるので、それをどのように仕事に活かせるのかを考えるきっかけにできます。

私の場合、「仕事価値観結果レポート」の結果として表示された「あなたの特徴」で、人や社会の役に立っていることを実感できるような仕事に強いやりがいを感じると判定されました。まさに今の仕事ですね。

また、「職業能力チェック」は職務に関する基礎的な知識から高度な知識まで、社会で求められることがまとめられています。人事として必要な知識はもちろん、社会人としての基本的なスキルや心構えも知ることができるので、便利なツールだと感じました。

異業種転職の場合は自分の得意なことを見つけて、それをどのように貢献へ結びつけるかが大切です。job tagを活用できれば、より広い視点で自分を見つめ直すことができると思います。