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事例集

「店舗販売・営業から、感性を形にするウェブデザイナーに転身 北野楓佳さん」

北野楓佳さん

1993年生まれ。大阪府の大学を卒業し、大手アパレル店の販売スタッフとして勤務した後、美容系店舗への営業を経験。
その後、自分の感性をより表現でき、自分らしい働き方ができる仕事としてwebデザイナーとなる。
現在は、フルリモートで都内にあるweb制作会社で業務を行う。

現在の職業を決めるまで

―――以前のお仕事について教えてください。
大手アパレル店の販売スタッフとして働いていました。
お客様への接客はもちろん、売り上げや在庫管理等、運営業務全般です。仕事自体は興味のあるファッション関連ということもあって、好きだったんですが、業務は基本的に全てマニュアル管理。個人の裁量がほとんどなかったんです。もっと自分で考えて提案をして。そんな自分を出せる仕事に就きたいという想いが高まって、転職を決意しました。
契約社員として美容系店舗への営業の仕事を経験した後、webデザイナーという職業を目指すことにしました。

―――なぜ、webデザイナーを目指そうと思ったんですか?
一番の理由は、自分の感性を刺激するようなことに挑戦してみたかったんです。

あとは自分の拠点をどこかに固定されたくなかったというのもあります。アパレル店舗での販売や店舗を相手とした営業ですと、どうしても働くために住まいが固定されてしまいます。
でもwebデザイナーはPC一台あればどこでも働くことができるんです。
拠点を縛られないので、色々な土地を旅して自分の感性が磨かれる。そして、それが仕事にもプラスになる。旅行好きで感性を生かした仕事をしたいと思っていた自分にピッタリだと思ってwebデザイナーを志しました。

―――webデザイナーになるにあたってどのような準備をしましたか?
webに関する知識も、デザイナーとしての経験もなかったので、オンラインスクールに3か月通って、知識と技術を学びました。
3か月と聞くと短いように思われるかもしれませんが、授業で課題が用意されて、その課題に対して授業以外の時間で、作業をしないといけないんです。講師の先生に週40時間は確保するように言われましたね。
私の場合は前職を退職していたので、自分の時間をフルに使ってwebデザインを学びました。

―――オンラインスクールではどのようなことを学んだのですか?
始めは初歩的な、バナー画像(別のwebサイトやページに移動するための画像ボタン)。次第に難易度が上がっていき、最終的にはwebサイトのデザインです。

制作だけでなく、提案力も学びました。初めはこんなターゲットに向けた画像を作るようにと具体的な指示があるんですが、徐々にそれがなくなり、自分でヒアリングした内容から誰に向けたデザインとするべきなのか?など、自分で考えて作るようになります。
また、デザインで使うソフトの機能全てを、授業で網羅することはできないので、自分で調べながらデザインをしていきます。
単純なデザインの方法だけでなく、提案力や検索力も磨かれたと思います。

スクール時代の初期に北野さんが制作したバナー画像

オンラインスクール卒業から現在の会社に就職するまで

―――オンラインスクールを卒業して、就職活動をしたのですか?
Webデザイナーという仕事はフリーランスでやられている方の割合がすごく多いんです。業界未経験ということもあり、私もはじめは個人として案件をもらって、実績を積むことにしました。
オンラインスクールの最後の課題は、自分で仕事を受注してくるというものでした。
クラウドソーシングサイト(web上で仕事の依頼ができるサイト)をチェックして、webデザインの仕事にひたすら応募しました。
制作実績自体はオンラインスクールで制作したものがあるので、それを見本として応募するんです。そこで、受注した仕事がwebデザインの初仕事になりました。

今の会社は、受講生仲間からの紹介です。それも始めはテスト的に単発でお仕事をもらっていました。何案件かやるうちにデザインが評価され、会社所属のデザイナーとして、週5リモート勤務で働かせてもらえることになったんです。

実際に北野さんを採用した藤本様にお話を伺いました。

―――まず、会社として行っている業務を教えてください。
web関連のコンテンツ制作・コンサルティングを広く行っている会社です。
中でも会社として力を入れているのが、ノーコード(プログラミング不要)で作れるウェブサイト制作ツールです。

一般的なプレゼンテーションソフトでwebサイトのデザインを作って、アップロードをすれば、自動的にwebサイトが完成するサービスになります。

―――北野さんの採用を決めた理由は何でしょうか?
先ほど紹介したサービスは、プログラミング不要で誰でもwebサイトを作れるものですが、クライアント様が洗練されたデザインにしたいという場合、弊社でデザイン部分を担当するんです。
そのため、クライアント様の意向に沿って、臨機応変な対応ができるwebデザイナーを探していました。知人経由で北野さんを紹介してもらったのですが、初めはお試しというか、いいデザインだったら定期的に依頼しよう、くらいの温度感でした。
彼女の場合、納期は必ず守ってくれますし、クライアントの要望をくみ取って、自分なりに提案をしてくれたんです。元々、営業などをやられていたそうなので、その経験によるものかもしれないですね。
こちらから細かい指示をしていなかったのに、求めるもの以上のクオリティを常に発揮してくれたので、採用を決めました。

webデザイナーとして日々の業務

―――1日の勤務時間や業務内容を教えてください
私の場合、フルリモート勤務で、時間の裁量も与えられているので、日によってまちまちではありますが、基本的に9:30~18:00くらいまで仕事をしています。
まず、社内の営業やディレクターからのメッセージを確認し、そこからはひたすらデザイン業務です。
今はwebサイト制作ツールのテンプレートデザインの制作が主でしょうか。それ以外にもツールでは対応できない特殊なwebサイトのデザインも担当していますね。

スクール時代後期に北野さんが制作した、サイトデザイン(商品およびブランドは架空のもの)

―――今のお仕事で、前職で身につけた知識やスキルで役に立っているものはありますか?
コミュニケーション力が一番役に立っていると思います。webデザインはPCに向かって作業をするので、コミュニケーション能力は必要ないと思われるかもしれませんが、相手が求めていることを察知するという部分で必要なんです。
とくにデザインは、言語で伝えにくい、ニュアンスや感性的なものをくみ取る必要があります。
あとは、先回りして行動すること。
営業時代、スケジュール管理が厳しい会社だったので磨かれたと思います。
相手の要望をくみ取るようにしていても、どうしても「ここが違う!」という部分が発生します。思いがけない修正依頼がきた際、他の業務で一杯一杯の状態ですと、迅速な対応が出来ず、案件を止めてしまうことになります。
なので、先回りして対応するクセは今の業務にも生きていますね。

―――今後、取り組んでみたい業務やプロジェクトはありますか?
UI設計(ユーザーの使いやすさを意識したデザイン)の部分に関してもう少し踏み込んでいければなと思っています。

webデザインは、ディレクターが作ったワイヤーフレーム(webサイトのどこに何が配置されているかを示したもの)を基にデザインすることが多いんです。その状態からいかにユーザーが見やすい・使いやすいデザインにするかが私の仕事なんですが、そのワイヤーフレーム段階からデザイン的視点を入れていきたいなと思っています。

それこそアプリのデザインなら、スマホでユーザーが使うことを前提として、オシャレと使いやすさを両立したものを作っていきたいです。

異業種転職を考える方に向けて

―――異業種転職するにあたって、戸惑いや苦労したことはありましたか?
この業界で本当にやって行けるの?という不安はありました。
業界的に上には上がいてスキルの終わりがありませんから、その想いは今でもないわけではありません。
ですが、日々成長を実感しているので、この業界に入ろうと決意した時よりも落ち着いてはいますね。

―――これから異業種転職を考えている人に向けて、アドバイスはありますか?
人生の時間は限られています。悩んでいるうちに、時間を使ってしまうくらいなら勇気をもって飛び込んだ方が良いと思います。

webデザイナーという職業に限って言うならば、デザインセンスが無いとダメなんじゃないかと不安に思う方がいると思います。
でも重要なのは、デザインセンスではないんです。なぜこういうデザインにしたのか?という理由付け。それさえできればデザイナーとして働いていけると思いますよ。

あとは、オンラインで完結できる仕事だからこそ、オンライン上のコミュニケーションを大事にすること。
とにかくレスポンスの速さを意識した方が良いです。対応してくれているのか、先方が不安になってしまうので、すぐに作業に取り掛かれなかったとしても連絡だけはすぐ返す。対応できない時間があるのなら、事前に伝えておく。
それが、私の経験上、大切だと思うことです。

job tagは、自分にとって適職とは何か?を教えてくれるツール

―――本サイトに関する感想やご意見があればおしえてください。
適職って働いてみないことには分からないので、job tagでその職業が自分に向いていそうかどうか事前に知れるのは、すごく参考になると思いますね。

「仕事価値観検査」をやってみましたが、スコア58の「自ら意思決定し、自主的に業務を遂行できることにやりがいを感じる。」というのは、私が大手アパレル店舗を退職した理由と一致してます。また、スコア59の「仕事だけでなく、家族と過ごす時間や趣味の時間など、私生活も充実していることにやりがいを感じる。」は、まさにwebデザイナーという仕事を選んだ理由です。

私の場合は、検査結果と一致していましたが、今の業種を辞めて他の業種に転向しようと悩んでいる方は、業種選びの参考になると思います。